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中山加奈子が詩詞集を上梓

 

昨年は久しぶりのソロアルバム『ROLLING LIFE』をリリース。VooDoo Hwaiiansらとの活動と共に独自のロックを追求している中山加奈子。PRINCESS PRINCESSのOfficial You Tube channelが開設されたのも話題となっている。そんな彼女がこのたびLip Mark RECORDSより『中山加奈子 詩詞集』を上梓した。

Player2019年8月号のインタビューで「ずっと歌詞の人間で、言葉、言葉って思って生きてきたんです。私、1,200篇くらい歌詞がありますから(笑)。もう書きためたものがいっぱいあって…」と語ってくれた彼女だが、『中山加奈子 詩詞集』を読んでみたところ、PRINCESS PRINCESSやVooDoo Hawaiians、ソロ楽曲の歌詞からセレクトされた詞が掲載されると共に、今回初掲載されている詩、散文もたくさん並んでいるのだが、先述の1,200篇のストックから言えばほんの選りすぐりのものとなるのだろう。そしてその書かれた時期も当然バラバラのはずだ。が、不思議と詩詞集の並びで読んでいくとなんとなくの一つの流れを感じることもできるし、どこか時間を超えて訴えかけてくるものも感じる。

が、逆に言えば適当に開いたページに載っている詩をランダムに読んでいったって面白いのだ。そこには単に一貫性と片づけられないようなカオスさだってあるし、あまりにも大胆で生々しい叫びもあれば、彼女らしいエレガントで美しい言葉も並ぶし、まさにその時々の喜怒哀楽の心象が200ページに凝縮されている。その多彩な言葉の数々は勿論、随所に描かれたイラストも中山加奈子によるものであり、編集自体も彼女自身による非常に純度の高い作品だ。そこには彼女の死生観も露呈しているのもまた読みどころかもしれないし、詩と称しつつも作品によってはもはやショートショートの短編小説だなとも思う。と書きつつも、決してシリアス一辺倒ではなくて僕らが愛する“ロッカー中山加奈子”の痛快さ、ユーモアも織り交ぜられた! そこがまた良い。

コロナ禍により、思うようにライヴ活動ができていない状況なのは彼女も同様だろう。ただ、そこで生じた時間で『中山加奈子 詩詞集』が創れたのだとしたら、それもまた宿命めいたものに感じずにはいられない。「タオルケットの海」「ぜんぶ過去だった」「暗雲の中の探し物」「キヨシローさん」「ムーンライトストーリー」(※プリプリの楽曲の中でもこの曲は僕にとって特に重要)「大人」「信用できる人」「咲かない花の種を持ってる」「皮膚の下の彼女」「イチャモン天国」「雨の日のパレード」「触れるオモチャ」「精密な時計」「散文」「第三場」…僕好みの言葉がいっぱいある! なお販売は一般書店ではなく、diskunion、Amazon、タワーレコード、HMVにおける取り扱いとなる。

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