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天野花 with Cattle Guitar / Part.2 Gear Report

個性の強さに惹かれた岡山の手工ブランド Cattle Guitar

八丈島出身の女性シンガーソングライターで、映画『Last Lover』の主題歌「Last Lover」も収録したデビューミニアルバム『甘い夢の終わり』を2020年1月にリリースした天野花。Part.2では彼女の新たな愛器である手工ギターのCattle Guitarをはじめとする使用機材を紹介しよう。

天野花が最近使用し始めたギターが、Cattle Guitar(キャトル・ギター/https://cattle-guitar.jimdosite.com)というブランドのモデルである。長年アマチュアのブルーグラス・プレイヤーとしてギターに親しんできた益田守が、2016年に岡山県瀬戸内市で設立したハンドメイド・ギター工房である。ブランド名の“Cattle=牛”は、益田が牧場を経営していることが由来である。益田はジャンク品のギターを分解するなどして独学でギター製作を学び、やがてマーティン・スタイルのギター・キットを完成するまでになった。

Cattle Guitar Custom Model
(Jacaranda Side/Back)

益田が製作するギターにはいくつかの特徴がある。まず、トップ材は部分に応じて削って厚さを調整しており、全体的に一般的なフラットトップよりやや厚めに仕上げている。そしてより豊かな響きを目指してバック材はアーチ状に仕上げている。

さらに同ブランドのギターにはドライエイジングと呼ばれる特殊な乾燥方法を施した木材を採用している。これは音響製品と楽器用木材を取り扱うシルドラボラトリーが開発した細結晶定着型複合乾燥法で木材を乾燥させることによって、軽量化と強度の向上、音抜けの良さを実現するというもの。

木材の特性の違いやオーダーの内容に応じて、ボディ内のブレイシングも形状やスキャロップ加工も微妙に調整している。

最終的な仕上げとしてセラック塗装が採用されている。ラックカイガラムシという生物の分泌物とアルコールとの溶液を何度も擦り込むという手間のかかる塗装方法である。しかし一般的なスプレー塗装よりも非常に薄い塗膜で仕上げられるため、木材の鳴りを最大限に活かすことができるのがこの塗装の魅力である。その一方で、衝撃や熱に弱いため、慎重に取り扱う必要がある。

HIGHLANDER
Dual Air System with OBP

また、このキャトル・ギターにはまだ市販されていないハイランダーのピックアップ・システムを内蔵している(取付けはバードランド社)。サドル下のピエゾPUとボディ内部のコンタクトPUの出力をブレンドできるのが特徴である。

彼女がCattle Guitarを使うようになったきっかけは、同ブランドの販売会社、元/True Guitars Japanの勧めでTOKYOハンドクラフトギターフェスで何本かを試奏して好みのギターをチョイスしたとのこと。

YAMAHA LLX16

彼女のもう一本のメイン・ギターは、上京してから現在もライヴやレコーディングで愛用しているヤマハ LLX16。

「バランスが良くて、キラキラした綺麗な音が鳴る」というヤマハのギターに対して、キャトル・ギターは「個性があってゴリゴリ、初めて弾いた時はホント、おじさんの家にあるギターみたいな、弾いた人の癖がすっごい残ってて面白いなって思ったのと、ヤマハとは全く違うギターって思うといいのかな、みたいな。曲とかでギターを替えると広がりが出るんでしょうかね? そんなことを思って」と語っている。

以前はサイド/バック材にキューバン・マホガニーを採用したキャトル・ギターを使っていたが、現在は写真のハカランダ・ボディを使用しており、「野生的というか、力強い感じ(笑)」が好みのようだ。

 

ライヴではDI/プリアンプにフィッシュマン AURA、カポタストはG7TH、チューナーはコルグ AW-LT100G、ストラップはフェンダーのレザー・タイプをそれぞれ使用。ギター弦はエリクサー ナノウェブのフォスファー・ブロンズ .011〜.052。エリクサーを愛用している理由として「ギターはダイナミクスを付けて弾きたいとずっと思っていて、エリクサーはマックスがデカいというか、普通の弦が100%だとしたら、120%のパワーや音を演奏するときに大袈裟に出せるなって。」ピックは自身の名前とイラストを入れた0.6から0.8ミリ厚のピックをオーダーして使用している。

Text & Photo by TOSHIHIRO KAKUTA

Part.1 天野花のインタビューはこちら

天野花official website はこちら

Cattle Guitar websiteはこちら

※本記事は月刊Player 2021年1月号より再編集したものです。

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