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WANDS 第5期としてのさらなる一打「David Bowieのように」

柴崎浩、木村真也、上原大史による第5期のラインナップで、シングル「真っ赤なLip」「抱き寄せ 高まる 君の体温と共に」といったシングルをリリースしてきたWANDS。遂にWANDSとしては21年振りとなる待望のオリジナルアルバム『BURN THE SECRET』がリリースされた。「David Bowieのように」「賞味期限切れ I love you」「Burning Free」など柴崎が手がけた書き下ろし曲を筆頭に、新ヴォーカリストの上原も「アイリメンバーU」の作詞作曲を担当。さらには「Secret Night ~It’s My Treat~」「明日もし君が壊れても」「もっと強く抱きしめたなら」「世界中の誰よりきっと」のWANDS 第5期ver.も収めるなど、これぞ最新形WANDSという存在感あふれるサウンドが具現化されている。

WANDS『BURN THE SECRET』
D-GO/ギザ 10月28日
初回限定盤CD+DVD GZCD-5012 3,500円(税別)
通常盤CD GZCD-50 2,700円(税別)

新たに発表されたプロモーションビデオは『BURN THE SECRET』の冒頭を飾る「David Bowieのように」。Player2020年12月号のインタビューで、作詞を手掛けた上原大史は“最初デヴィッド・ボウイって出てきたんですけど、その後もちょっと本当に大丈夫なのかっていうのはありましたけどね(笑)”と語っていて、歌詞が一番手こずった曲だったそうだが、たしかに聴く側としてもこの曲名が1曲目にくるのか!っていう新鮮さはあった。サウンドも面白い。ほんのりEDMテイストも織り交ぜて、柴崎浩のギタープレイをフィーチャー。1コーラス後のむせび泣くギターソロ から2コーラス目では、一旦落ち着いたムードにさせたかと思いきや、左右でゴリゴリのヘヴィな刻みがくるあたりがなんとも刺激的! 実は随所でちょっぴりトリッキーな各楽器隊の美味しいどころも押し出されている感じがニクイ。それでいてサビはこれぞWANDS節というキャッチーで爽快感あふれる8ビート展開に。WANDSらしさのバランス感をちゃんと大事にしつつ、今の時代の音楽テイストを大胆に導入している冒険っぷりが「David Bowieのように」然り、『BURN THE SECRET』の魅力だと思うのだ。

それにしても歴代シンガーも素晴らしかったが、上原大史というスター性のあるヴォーカリストを起用する縁というか出会いというか、ある種の運もあると思うのだが、それが2019年以後でWANDSとして再始動できたこの面白さ! ようは20年ほどの空白の期間があったわけで、当然そこには変化がある。多彩な活動を展開してきた柴崎浩の超絶ギタープレイはますますシャープに、より新たなプレイニュアンスを汲み込んだものになっていて素晴らしいし、そうしたミュージシャンとしてのレベルアップ的な側面とともに、レコーディングプロセスの変化も大きい。かつての90年代のWANDSといえば、レコスタに入り浸って外部からの楽曲提供も柔軟に取りれたソングライティング、サウンドメイキングを延々し続けている…イメージ的には僕が抱くようなそんな感じがあったと思う。が、そこも2020年という時間軸となると大きく変化していることもPlayer2020年12月号のインタビューで語られておりなんとも面白いのだ。

Player2020年12月号のインタビューでは遂に3人へのインタビューが実現。ソングライティングやレコーディングについてたっぷりと話してもらったほか、柴崎の最新ギターレポートも掲載したかなり濃厚なものとなっている。90年代のWANDSのインタビューは当時、僕は主にGIGSで読んでいました笑。まさか今になって自分でWANDSの取材ができるチャンスに恵まれるとは思いもよらなかったが、結構ディープな記事にできたと思うのでぜひ読んでいただきたい。

Player2020年12月号の直販はこちら。

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