ベン・ハーパー、ジャクソン・ブラウン、マーク・フォード、リッチ・ロビンソン、ジョン・フルシアンテ、ワディ・ワクテルなど、錚々たるミュージシャンを虜にするアッシャー・ギターズ。代表モデルの一つ、MOZOを紹介しよう。
The “MOZO” Ben Harper Spec (50s Burst)
スワンプアッシュの木目が透けるほどの美しいサンバースト・フィニッシュが施されたこのギターは、ビル・アッシャーとベン・ハーパーのバンド・ギタリストを務めるジェイソン・モゼルスキーとのコラボレーションで生み出されたシグネチャー・モデル。戦前のハワイアン・ギターをモチーフにしたヘッドストックには、特別な“MOZO”の名が入れられている。MOZOは50年代のフェンダー・ギターとベースをブレンドさせたようなキャラクターのモデルで、オリジナルPB風のピックガードや初期JB風のスタック・コントロールが組み込まれ、トーンを考慮したヴィンテージ・トラスロッド、あえてセレクターを無くしたコントロールという特徴を持つ。
イタリア製のベッコウ柄セルロイド・ピックガードを使ったこのギターは、ベン・ハーパー本人が使用するギターと同スペックで宮地楽器がオーダーしたもの。セイモア・ダンカン カスタムショップで製作されたTL/CC スタイルのピックアップは、ヴィンテージ・ギターの口当たりを持ちながらもベース域のレンジを広げたキャラクターになっており、2つのピックアップをブレンドしながらトーンを作っていくスタイルとなっている。ブリッジはアコースティックな響きを備えたスティール製TLスタイルのフェンス一部をカットし、ブラス製の3セクション・サドルにはイントネーション加工が施されている。極薄のラッカー・フィニッシュもまたハンドメイドならではの魅力だろう。
問い合わせ:宮地楽器神田店
Tel.03-3255-2755
https://www.miyaji.co.jp/
※本記事は月刊 Player 2020年12月号特集『Asher Guitars〜アメリカン・ブティック・ギターの真髄』からの転載です。