エリック・クラプトンが好んだことで著名であり、フランク・ザッパやイーグルスの面々なども好んだというピグノーズ。1972年に誕生したピグノーズは2022年でデビュー50周年を迎えた。これを祝して全世界で1500台のみ生産されるピグノーズアンプの50周年記念モデル 7-100R -50th anniversary- Limited Editionが登場。ブラウンレザーでお馴染みの7-100Rだが、アニバーサリーモデルはご覧のようにシックなブラックレザーを採用。スピーカーネットには50周年ロゴが入れられている。
その名の通り、ON/OFFスイッチとボリュームを兼ね備える愛らしい“ピグノーズ(豚の鼻)”のノブと、極めてシンプルなスペックながら抜群のトーンを生み出すことで、ピグノーズアンプは小型アンプの定番となっている。名器7-100Rを筆頭に10万個以上も生産されてきたというロングセラー製品だ。かのブラスロックバンドの代表格、シカゴの創立メンバーであり初代ギタリストだったテリー・キャス(若くして拳銃による事故で1978年死去)たちにより生み出されたこのミニアンプは単三電池6本で鳴らせて、2kgに満たないどこにでも持ち出せる重量、それでいて5″スピーカーで出力される音色はなんとも艶やかなドライヴトーン! オフステージでの指ならしで愛用されるだけでなく、手軽に鳴らせるにしては実に良い音ゆえオンマイクでレコーディングで活用するギタリストも続出してきた名機である。
レザー張りボディの筐体は、電池を装備するために開閉することができるのだが、ユニークなのはこの開閉具合でトーンが変わることだ。誰かに開閉してもらえばワウ的なトーンも楽しめる。さらにピグノーズ・アンプ独特なトーンは一般的にクランチ、オーバードライヴ向きと思われがちだが、意外にも本領を発揮するのはピグノーズ側をフルボリュームにして、ギター側のボリューム、トーンを主体にしてのサウンドメイキング。ギター側のボリュームを下げることで出力されるシャープなクリーントーン然り、そのギターの個体の持ち味を極めてストレートに出してくれるのが魅力である。意外と若いギタリストだとピグノーズを鳴らしたことがないという人もいるようなので、50年と言わず未来永劫も愛されていくだろうピグノーズ・アンプをぜひ鳴らしてみてほしい。なお、この50周年モデルは2022年9月頃から楽器店に並び出すようだ。
また、このタイミングで7-100R 用のACアダプターAC-200(税込2,200円)もリニューアル。電池で鳴らすピグノーズ・サウンドもそれぞれ奥深い魅力があるのだが、とはいえ日常的に使用するのであればやはりACアダプターがあった方が圧倒的に便利。もちろん3.5Φミニプラグを電源で使用するエフェクターにも対応可能だ。