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IBANEZ AZSフォーマットによるトム・クァイル 新シグネチャー・モデル

第一線によるプロミュージシャンによる要望を反映させたスペックにより、世界中の新進気鋭のギタリストによる大きな支持を集めているのがアイバニーズのAZシリーズである。同ブランドのRGシリーズとはある主対極的とも言える柔らかなフォルムを採用したボディデザイン。さらにはローステッドメイプル製ネックと指板、ネックジョイントも新設計、ゴトーと専用トレモロユニットを共同開発したり、多彩なサウンドメイキングが可能なピックアップシステムと、そのスペックはアイバニーズならでは、そして今の時代ならではのものだった。

 ジャズ、クロスオーバー、ポストロック系のギタリストにも愛用されてきたAZシリーズだが、Lick Libraryなどで新時代のギタープレイを多数披露するなど、世界的な注目を浴びているトム・クァイルも愛用者の一人だった。そのトムがアイバニーズとタッグを組み、AZをベースにしつつ新開発されたのが«AZS»というフォーマットである。

 今回発表されたIBANEZ Tom Quayle Signature Model in «AZS» Format Tom Quayleは、ご覧の通りボディ表裏ともに演奏時にフィットする独自のコンター加工も採用、ハイポジションの演奏性まで考慮した新たなボディデザインとなった。それでいて、どこかトラディショナルなテイストも感じられるバランス感も魅力で、トムが非常に軽々と超絶プレイしている勇姿がインパクトたっぷりである。

 1ピースのローステッド・メイプルネックと4mmのメイプル・トップ、アルダー・バックのボディとは、AZシリーズを継承したスーパー・オールアクセス・ネック・ジョイントを採用。ピックアップにはSeymour Duncan Magic Touch-MiniTM、TLスタイルで言うならばいわゆるブリッジプレートにAlnico Ⅱ ProTM Customをマウントしたスタイルで、3ウェイのピックアップセレクターの他にミニスイッチを装備。このdyna-MIX5スイッチング・システムにより、ハムバッカーとシングルコイル・モードを自在に切り替えられるなど、多彩なトーンを編み出す独自のシステムになっている。

 先述のリアピックアップのプレートの先には、新開発の2点支持によるT1802トレモロ・ブリッジを装着。指板サイドには蓄光のドット・ポジション・インレイも採用するなど、まさにオンステージで即戦力となるスペック。他にも様々なアイデアが反映されており、よりトム・クァイルの名を浸透させるとともに新たなスタンダードになりそうな気配の一本だ。定価は税込385,000円でハードシェル・ケースが付属。2022年7月15日より出荷がスタートだ。

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