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Part 1 SAITO GUITARS 〜Guitar Creators 新たなギターシーンの創造〜

ベテランのビルダーが多くの時間を費やして製作されるハンドメイド・ギターに憧れるギタリストは少なくない。しかし、そのイメージとは全く異なるコンセプトでデザイン、製作されたギターがユーザーの注目を集めている。
今回紹介する「SAITO GUITARS」は、コンピュータ制御のNCルーターのメリットを最大限に活用し木部加工のほとんどを自動化、伝統に囚われない個性的でモダンなデザインや、ボディトップのみのユニークなカラーリングなど、これまでの概念を打ち破った新たなギター作りに挑戦している。木部加工を自動化する一方で、長年のリペア業務で培った経験を活かしたハンドワインディング・ピックアップの製作や、丁寧なセットアップに多くの時間を費やして完成した製品は、幅広い年齢層のユーザーの心を捕らえている。
高価になりがちな工房ブランドでありながら、高いコストパフォーマンスを実現することで多くのギタリストから信頼を勝ち取っているニューフェイス。今回の「ギター・クリエーターズ」は、全3回に渡って話題の「SAITO GUITARS」の魅力に迫る。

Sシリーズを代表するオリジナル・モデル

S-622

Price:Open Price

SAITO GUITARS の主軸モデルと言えるのが、ソリッド・ボディとボルトオンジョイントによる機能的なS-622である。ストラトキャスターに代表されるトラディショナルなギターを、同社はフラットなボディ形状からトップ・フェイスに緩やかなアーチ形状を施す等、外観的にも機能面においても様々なブラッシュアップを行うと同時に、各モデルには幅広いオプションが用意されている。SAITO GUITARSの大きな特徴となるのが、NCルーターを積極的に活用した高い精度での木工加工である。3次元に加工されたヘッドストックフェイスやボディトップ全体に施された滑らかなドーム形状等は、NCルーターならではのデザインとなっている。メイプルとローズウッド指板が用意されたネックは、ボルトオンジョイント・スタイルのメイプル製。カスタムギターの定番となっているジェスカー・フレットのワイドサイズを使った22F仕様。オリジナル・ヘッドストックの1弦側に延びた個性的なラインは、メイプル・フィンガーボードの下側に挟み込まれたローズウッド・プレートで、チューナーの制約を受けない部分に厚みをもたせることでヘッド強度を稼いでいる。指板には数種類のポジションマーク素材やマークの有無といったオプションも用意されている。グリップは、ポジションによって厚みが変化していくラウンドタイプで、手に馴染む薄いマットウレタン仕上げ。ボディの外周ラインはトラディショナルなギターに近いものの、独自のアーチ加工を施すことで弾きやすさと軽量化が図られたボディには、オプションのライトウェイトアッシュを使用。フィニッシュはアルダー材に用意された10種類以上のカラーに加えて、アッシュ専用のカラー、木目の凹凸を残したオープンポア仕上げも用意されている。カラーリングがボディトップ面のみに施されているのもSAITO GUITARSの特徴で、バック側は全てナチュラル仕上げとなる。

ボディにダイレクトマウントされているSAYTONE Hand Winding Pickupsは、全て工房内で丁寧に製作される。シングルコイル/ハムバッカー共に2種類が用意されていて、それらをSSS、SSH、HSHといったレイアウトでオーダーができる。写真の製品はホットロッド・タイプのSSHで、ヴィンテージ・テイストを残しながらもファットさを感じさせるBore Up ハムバッカー、はっきりとした輪郭とタフさを備えたGrowlシングルコイルが組み合わされている。

指板が流れ出た特徴的なヘッドデザイン

ボディトップの緩やかなカーブが大きな特徴

ネックジョイントプレートは落とし込み

 

S-622TLC

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TLコンセプトS-622TLCは、S-622の特徴的なスペックを伝統的なTLスタイルで表現したモデルである。ブリッジやピックアップ・レイアウトはTLモデルを踏襲しているが、フロントピックアップにSTサイズのシングルコイルをマウントすることで、各ポジションにおける音量差が少なく、より扱いやすいサウンドに構築されている。ボディに大きなバックコンターが施されているのもプレイヤーには嬉しいアップデートと言えるだろう。

 

S-622JMC

Price:Open Price

オフセットボディを採用したJMコンセプト、S-622JMC。S-622と同じく2点支持のトレモロユニットを採用しており、安定したチューニングでの演奏が可能となっている。写真は2ピースのライトウェイトアッシュをオプションとして採用した製品で、軽量でプレイアビリティに優れたモデル。ピックアップは、S-Seriesの中で最も高出力なシングルコイルFlat Headを搭載し、シングルコイル特有の切れ味と暴れるようなサウンドが特徴となっている。

 

S-622CS

Price:Open Price

S-622CS[CLASSIC STYLE]は、2020年に発表されたモデル。コントロールにマスターVとシングルコイル用とハムバッカー用の2つのトーンポットを採用し、それぞれ異なる抵抗値のポットとコンデンサを使用。ハムバッカー用のトーンをプッシュすることでリアのトーン回路がキャンセルされ、疑似的に3Sギターのサウンドも出力可能。トラディショナルな外観も特徴的だが、シングルコイルとハムバッカーの異なる持ち味を活かした実戦向きのモデル。

 

Text by JUN SEKINO / MINORU TANAKA
Photo by TOMUJI OHTANI

 

Part 2へ続く…

Part 2 SAITO GUITARS 〜Guitar Creators 新たなギターシーンの創造〜
ベテランのビルダーが多くの時間を費やして製作されるハンドメイド・ギターに憧れるギタリストは少なくない。しかし、そのイメージとは全く異なるコンセプトでデザイン、製作されたギターがユーザーの注目を集めている。 今回紹介する「SAITO...

 

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