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VOX VGH-AC30 / ROCK 宍戸翼(The Cheserasera)試奏レポート

VOXから発売されたヘッドホン型アンプのニュー・モデル、VGHシリーズのプロ・ミュージシャンによる試奏コメントをお届けしよう。
まずPart.1にご登場いただいたのが、トリオ・ロックバンド、The Cheseraseraのギター/ボーカルであり、自身もVOXアンプをライヴなどで使用している宍戸翼。

ーヴォックス・アンプというと、どんなギタリストが思い浮かびますか?
GRAPEVINEのメンバーさんがAC15を使ってるんですけど、僕もそれが理由でAC15HWを使っているんです。その頃ってヴォックス・アンプを使ってる人が結構多かったんですよね。初めて買ったアンプはヴォックスですし、今使っているAC15HWもめちゃくちゃいいですよ。白いルックスでなんとなくレトロで可愛い感じがあるんです。

ーAC15HWのサウンドはいかがですか?
元々とてもダイレクトな音ですがハンドワイヤードだからより一層反応がいいですね。でも15ワットでヘッドルームが狭く、ブーストしても音量があまり稼げないので、昔は使いこなせなかったんですよ。でも昔は出力15ワットなのでギターでブーストして突っ込みまくると、使いこなせなかったんですよ。最近は逆にブースターを使って音量を下げて、ソロの時にブースターをオフにしてアンプを全開で鳴らして使っているんです。あとは独特のザラつきがあって、それはマイクを立てても明確にありますね。マーシャルとかは“パシャーン”というか面で鳴るんですけど、ヴォックスはすごくザラザラしてるというか、解像度が高いと思うんですけど特有のザラつきがありますね。

ー普段、自宅ではどんな方法でエレクトリック・ギターを練習することが多いですか?
生音で弾くっていう感じですかね。アンプ毎のレスポンスによって自分のタッチも決まってくるから、本当はアンプがあった方が練習になるんですけどね。

ーミニアンプを使ったりはしないんですか?
(自宅で使える)アンプは持ってないんですよ。一応デモを作る時はiPhoneのGarage Bandに繋いでアンプシミュレーターでそれっぽい音は出るんですけど。宅録の時は部屋が狭いのもあって機材を並べ直したりしてるんで、練習の時もちょっとめんどいので生音でやっちゃうんです(笑)。

ーでは、自宅で好きな曲に合わせてジャムったりすることは少ないんですか?
やりたいんですけどね。家にヴォックス・アンプを置いていたことがあったんですけど、ボリューム1でも結構デカいから(笑)、ちょうどいい音量が作れないのでなかなか難しい状況ですね。

VOX VGH-AC30

ーVGH-AC30の印象はいかがでしたか?
元々あったamPlugよりも音が良く聴こえますね。ゲインを上げると結構歪みますけど、ゲイン0でも好みです。かなりいいですね。それこそヴォックス・ユーザーだから言えるコメントですけど、ヴォックスっぽいですね、めちゃくちゃ。ゲインをマックスにするとファズみたいな、ホワイト・ストライプスぐらいに歪みますね(笑)。僕が元々使っているAC15HWの質感が、ギターを通した瞬間にすごい感じられて。言い方が悪いですけど、アンプシミュレーターって単純に安く買えるからそれなりに質が良くないイメージがあるんですけど、VGH-AC30は一瞬でヴォックスの音を思い出せる、クオリティの高いシミュレーターですね。以前、amPlugも使ってましたけど、それよりもヘッドホンとの相性も考えられてるのか、すごい鳴りが良いというか、その場にアンプがあるような“パァーン”と入ってくる感じが気持ちいいですね。

ーお気に入りの音のポイントとかは調整しやすかったですか?
どこのポジションでも仕上がっている音になってるんで、クリーンでもゲイン上げても好きな音でしたね。トーンも抜けが元々良いので、逆にこのトーンじゃないと無理みたいな設定でもないっていうか、それこそちゃんと自由度がある。ツマミが動くだけの意味がある、作りがいのある音ですね。こういうワンタッチで繋げられるものって、実際にツマミはあるけど特定の音しか使えないものも結構あるんですけど、これはゲインも1から10までどんどん音の良さが変わっていくので、ちゃんとツマミが機能していてすごく反応がいいですね。

ーピッキング・ニュアンスとかのレスポンスはいかがでしたか?
もちろん出ますね。強い弱いだけじゃなくて、強く弾いた時にその分ゲインが掛かってくる感じとかもちゃんと強調されてますし、立体感があってチューブっぽいポンポンした感じもちゃんとあっていいですね。

ーツマミやスイッチ、ケーブルが全て右側のイヤーパッドに配置されていますが、その使い心地は?
ヘッドホンを付けながら操作できるようにしているので慣れは必要だと思うんですけど、ツマミの配置順さえ覚えちゃえば付けながらでも指を載せたままコロコロ回すだけで設定を変更できるのできっと慣れますね。

VOX VGH-ROCK

ーVGH-ROCKのサウンドはいかがでしたか?
たぶん速弾きとかする人はこっちの方がゲイン感が満足できそうですね。やっぱり100ワットとかのヘッドルームが広くて抜け感がデカいというか、音が一気に飛ぶ感じがありますね。ゲインは結構早い段階で歪み始めて、スタイル的にはハードロックだったりロング・トーンのリフが多いギタリストにはVGH-ROCKの方が合ってるかも知れないですね。僕はバッキングが多かったり、ソロもそんなに歪ませないのでVGH-AC30の方が好みですね。

ーヘッドホン自体の装着感は?
頭を振っても落ちないし、軽いし、全然チープな感じもないし、音もいいですし、ヘッドホンとしての品質も良いと思います。

(※本記事は月刊Player 2021年2月号からの転載です。)

The Cheserasera OFFICIAL WEB SITE http://www.thecheserasera.com
VOX VGH Series製品ページ https://voxamps.com/ja/series/vgh-ja/

製品のお問い合わせ先:株式会社コルグお客様相談窓口
TEL:0570-666-569
http://www.voxamps.com

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